5→9を観て思い出したトラウマの話。

5→9を観た。

とりあえず石原さとみかわいい。

偶然にも表参道で仕事だった今日、普段は履かないヒールを履いて石原さとみ意識した。

歩いて数歩で後悔したけど。

私は結成時もどんどん人数が減っていったときももちろんあのふたりの脱退のときもNEWSが好きだったので、山下智久さんを観るのはなんだか元クラスメイトとか、滅多に会わない親戚に会うような感覚でいつも不思議。

今回は山下さんの話ではなくて、堂本光一さんの話だ。

今回はというよりも今回も。

ここから先はネタバレになるが、石原さとみが、クレーム対応をする場面があった。

誕生日に。

大切なヒールを履いておしゃれをしていた日に。

そして雨まで降ってきた。

呟く。

こんなはずじゃなかった

ぶわっと8/2のことを思い出してしまった。

多分あの日のことは一生忘れない。

わたしはその日、堂本光一さんのソロコンサートspiral横浜アリーナ公演に行った。

チケットが取れなくて、休めるかもわからなくてやっとの思いで譲ってもらった公演だった。

仕事ばっかりでいろいろと堪えていた私に、副店長が休みというプレゼントをくれた。

久しぶりの現場で、目一杯おしゃれをした。

とにかく楽しくて、久しぶりに行った光一さんのソロコンサートは素晴らしくて。

会えた瞬間から涙が止まらなかった。

最後に光一さんは、いつものように現実みろよ、と言って去って行った。

現実をすぐ見れなくても、少なくともこんな素晴らしい時間を過ごせたんだから現実がんばろう、という気にはなっていた。

そんな公演後。

お店から電話があり、以前クレームだったお客様からまたクレームがあったと。

ただ店舗で対応できる内容ではなかったので本社に託したと。

わかった。とそこでは、話は終わったのだがポスターやらなんやら買って帰って旦那様に光一さんの素晴らしさを語っているとき。エリアマネージャーから電話があった。

どこにいるんだ、なにしてるんだ、と。

激怒していたお客様は、本社でも手がつけられず、私から電話しろと。

そこで外で電話していたとき、雨が降ってきた。

電話口から聴こえる罵声の嵐、冷たい雨。

不謹慎ながらもそのときに思い出してしまう光一さんの顔。

ひとしきり謝り倒してたとき。わたしはあろうことか泣いてしまった。

クレーム対応ではありえないことなんだけど、もうわけがわからず泣いてしまった。

そんなに怒られる意味も、謝っている意味も、雨に打たれている意味も、店長やってる意味も、やりたくないしごとの意味も。すべてわからなくなった。

それまですごい剣幕で怒っていたお客様は穏やかになり、私との話は終わらせる、と言って電話が切れた。

ちなみに内容は、こちらサイドが悪い話ではない。

そこからはもう涙が止まらなくて、眠れなかった。

なにも今日じゃなくてもいいじゃないか。

そんなセリフばっかり頭をぐるぐるしていた。

大好きな人にあってきた、お金を払ってキラキラを目にしてきた。

そんな素晴らしい日にこんな仕打ちあるか。

次の日もそのまた次の日も引きずって、わたしはすっぴんマスクで仕事に行った。

もうなにも、やる気が起きなかった。

いつもならアイドルを見れば元気になるのに、それどころじゃなかった。

エンドレスリピートで聴きたかった光一さんの曲も、聴けなかった。

私がなにより悲しかったのは、なにより楽しみにしていた8/2が、最悪の思い出で塗り替えられてしまったことだった。

たぶん、翌日ならなんてことなかった。

違う日なら、なんてことなかった。

社会人を何年もやっているけど、バイト時代含めてすっぴんで仕事に行ったことなんて一度もなかった。

そんな抜け殻だった私に、フォロワーさんからひとつのツイートが回ってきた。

光一さんが、別の会場で言った言葉だった。

「さぁ、夢から覚める時間です。でもこの夢の時間が明日からの糧となって皆さんの力になったらいいなと思います。また来れる時まで現実と闘って下さい。そしてまた一緒に夢を見ましょう。」

は、と、目が覚めた。

光一さんにもらった時間を、私は全然わかっていなかったと。

私にとってアイドルは、頑張ったから会いに行ける存在だった。

良い子にしてたからプレゼントだよ、っていうサンタクロースみたいな。

ぼんやり生きているときに会いに行くと、なぜか落ち込んで帰るような。そんな存在だった。

そこでいきなり恥ずかしくなった。お金をもらって働いているのに、こんなことで落ち込んで、3日も抜け殻なんて。

現実と頑張って闘って、また年末年始に夢を見るんだ。そう思った。

ただ。その事件はとってもトラウマで、昨日の5→9のあのシーンで泣いてしまった。

私は今日も、現実を闘う。

KinKi Kidsと、一緒に、また夢を見るために。

今もバッグの中で店長携帯が鳴っている。

ウィンドウにはお店の名前。